英国ロイヤル・バレエ団「ロミオとジュリエット」2010年7月3日 マルケス&マックレー

マックレー君にすっかりノックアウトされた私・・・
関西公演の良席が売りに出ていたので、ついふらふら取って行ってきてしまった!

KOBELCOホールはまだ開館5年ということで、とても近代的で美しいホールだった。阪急線の西宮北口駅から直結していて、雨でも濡れずにアクセスできたし。
外壁はコンクリート打ちっ放しで、内装は木がふんだんに使ってあって、とてもおしゃれ。ホールは新国立劇場のオペラホールよりさらにゴージャスな感じ。傾斜も程よく、客席も間口も広くないので、端のほうの席だったが、十分舞台を観ることができた。


これはホワイエ。ちょっと狭かった。

オペラグラスの貸し出しがなかったのが残念!こんな肝心なときにオペラグラスを忘れていってしまって、貸し出しもなく焦った。劇場の入り口の売店で安い3倍率のものを買ってみたけど、全然肉眼との違いがなかったし・・・

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さて、キャストは東京公演の都さんの時とほぼ同じ。ギャリー・エイヴィスの出演がなかったのがちょっと残念!

今一番ベストなパートナーというマルケスとマックレー。マルケスはとてもとても小柄なので、マックレーとのバランスは良いけれど、ジュリエットとしてはやや舞台栄えがしない。手足も相応の長さなので、マクミラン特有のリフトでの脚の美しいラインが堪能できないのだ。容姿は可憐でジュリエットにぴったりだし、しっかりしたテクニックとメリハリのある演技で全体的には申し分ないだが・・・コジョカル、都さんの後に観てしまったのでちょっと点数が辛くなってしまう。贅沢な不満。マルケスは身体能力も高いのね・・・と感心したのが、3幕でパリスとの結婚を強要されて、ベッドにもぐりこむシーン。1ダイブでさっと布団にもぐりこみました。快活でかわいかった(笑)

マックレーは1幕の最初少し重めかな・・・と思ったのですが、バルコニーからはそんな懸念は吹き飛んだ。本日も美しい回転、跳躍、巧みなサポート・・・。乳母の周りをくるくる回る高速シェネでは、東京公演の時より大きな驚嘆の声と拍手が起きた。パートナリングは都さんの時はより丁寧で慎重さがあったように見えた。マルケスの方が取り回し易く気楽な分、より自然にダイナミックにというか。演技も東京公演の時よりエモーショナルだったように思った。ところで、額の傷はまだ残っているよう。痕にならないと良いのだけど・・・

大満足・・・だったが、オケがちょっと・・・東京フィルの方が良かった・・・金管ってなかなかきれいに決まらないものなのねぇ。ただ、バルコニーでジュリエットが出てくるところでは、本当にパイプオルガンの生演奏と思うほど良い音だったのが良かった。20日の東京公演の時は録音の音がものすごーーーーーく小さくて、スタッフがトランシーバーかなにかで連絡をとってる音が入ったりして。

公演が終わって、さっさと帰途についたのだが、twitterをチェックしていたら、ベネット・ガートサイトが公演後すぐにいろいろつぶやいてくれていて、終了後すぐに東京へ移動していたことが判明!もうちょっとゆっくり出てくれば、新幹線で一緒になれたかも〜く〜!! って私はオフステージのダンサー個人に興味はなく、デマチはしない主義なくせに・・・

今回の公演ではほんとにマックレー君にすっかり惚れこんでしまった・・・リーズだけだったら、そこまで入れ込まなかっただろうな。ロミオ役が彼にぴったりだった。ソロの踊りが良い人は他にもいるだろうけど、立ち姿や上半身の美しさ、そして、特筆すべきはサポートの上手さ。彼は23歳でプリンシパルになって3年目なのに、都さんが引退公演のパートナーに選ぶほどのサポート上手なのだ。Ballet Bagで見たインタビュー記事ではマルケスと踊るのが楽しいということだったが、彼の踊りのレベルからいくならば、今後はコジョカルと踊れるならばより全然彼が光るのでそうして欲しい・・・ コジョカルさん、コボーが引退した後のパートナーには是非マックレー君を!ペネ君より全然頼れると思いますよっ!(ちなみにBallet Bagのマックレー君のみをフィーチャーした記事"A Fiery Spirit"も良い!)


これからまだまだ長いであろうバレエ人生。この先どうなっていくのだろう。楽しみ!!

次のマックレー君の舞台を観ることができるのはいつになるだろう・・・って月末だ!スターダンサーズのチャリティ・ガラ公演に行くつもりはなかったのだけど、慌ててチケットを買い足した。もう良席は残ってなかったけど・・・私のばか!でも、取れて良かった!・・・で、「バレエの真髄」も行くので、気がつけば、吉田都祭りになっていた・・・もちろん、ありがたく堪能いたしましょう!



英国ロイヤル・バレエ団
ロミオとジュリエット

振付: ケネス・マクミラン
音楽: セルゲイ・プロコフィエフ
美術/衣装: ニコラス・ジョージディアス
照明: ウィリアム・バンディー


2010年7月3日 14:00− 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール


ジュリエット: ロベルタ・マルケス
ロミオ: スティーヴン・マックレー


マキューシオ: ブライアン・マロニー
ティボルト: トーマス・ホワイトヘッド
ベンヴォーリオ: セルゲイ・ポルーニン
パリス: ヨハネス・ステパネク
キャピュレット公: クリストファー・サウンダース
キャピュレット夫人: ジェネシア・ロサート
エスカラス(ヴェローナ大公): ベネット・ガートサイド
ロザライン: タラ=ブリギット・バフナニ
乳母: クリステン・マクナリー
僧ロレンス: アラステア・マリオット
モンタギュー公: アラステア・マリオット
モンタギュー夫人: サイアン・マーフィー
ジュリエットの友人: リャーン・コープ、べサニー・キーティング、イオーナ・ルーツ、エマ=ジェーン・マグワイア、ロマニー・パジャク、サビーナ・ウエストコム
3人の娼婦: ラウラ・モレーラ、ヘレン・クロウフォード、フランチェスカ・フィルピ
マンドリン・ダンス: ミハイル・ストイコ、
ポール・ケイ、蔵健太、ルドヴィック・オンディヴィエラアンドレイ・ウスペンスキー、ジェームズ・ウィルキー
舞踏会の客、街人たち: 英国ロイヤル・バレエ団


指揮: ボリス・グルージン
演奏: 関西フィルハーモニー管弦楽団


◆上演時間◆
【第1幕】 14:00−15:05
休憩 20分
【第2幕】 15:25−16:00
休憩 20分
【第3幕】 16:20−17:00