オーストラリア・バレエ団「白鳥の湖」 イーストー/カラン/ダン

3年前に見ているのに、詳細は結構覚えていないものだ・・・愕然。・・・とにかく、相変わらずすごく面白い作品だった。

エネルギッシュで難度の高いリフトが多用された踊りがもりだくさん、主役からコール・ドに至るまでそれをきちんと踊りこなしている上に、ストーリー展開の巧みさと音楽使いの上手さ、美術の素晴らしさ・・・幾重にも多面的に素晴らしい作品とバレエ団だ。

イーストーのオデットは最初から最後まで踊り倒し・・・ものすごい体力を要する役柄なのに、最後まで素晴らしかった。以前この作品を観た時は圧倒的にロッドバルト男爵夫人のダンに惹きつけられたのだが、今回はオデットにかなり引き込まれてしまった。

ダンのロッドバルト男爵夫人はもう職人芸。妖艶に王子に絡みつく姿、権力にうっとりする姿・・・最後のなりふり構わず王子の背中にダイブしてすがりつく姿・・・どれも本当に素晴らしい!

カランの王子は・・・ええ〜っと、体型がちょっとバレエの王子様ではないので・・・ 3年前のウェルチも似たような体型だったような・・・ この振付は本当にたくさんのリフトがあるので、サポート要員と思えばそうなのかな・・・もう1人のキャストのアダム・ブル君は長身ハンサム・・・彼で観たかったな〜

主役意外にもっとも目がいったのは、伯爵の侍従のツ・チャオ・チョウ。運動神経も良いのだけど、脚がきれい。動きが早いけど、決して雑にならず、あくまで優美。かなりツボ。それから、公爵のアンドリュー・キリアン・・・すごく長身で手足が長くて小顔でハンサム・・・眼福。

マーフィー版がチャイコフスキーの原曲にかなり忠実に音楽を使っている。初めて観た時はすごく違和感があったのだけど、その後原曲のCDを聴いたり、ノイマイヤーの「幻想〜白鳥の湖のように」を観たりして、耳が慣れたらしく、イワノフ・プティパ版の黒鳥のヴァリエーションが1幕にあったり、3幕のファンファーレのところとか、チャイコフスキー・パ・ド・ドゥが入ったりするのをごく自然に受け止めることが出来た。

今日のオケはすごく良かった!ヴァイオリンが特に。音がとても研ぎ澄まされた美しさで聞きほれた〜 指揮者のニコレット・フレイヨンさんとオケもすごく息が合っていたように思った。フレイヨンさんはルックスもとても素敵な女性。金髪のショートヘアで、引き締まった体にシンプルなラインの黒のシャツとパンツ。でも黒のシャツの肩周りはレースで女性らしさも出していて、大変センスも良い!2幕と3幕の間にブラヴォーも飛んでいた。

マーフィー版「くるみ」もすごく斬新そうなので、楽しみ♪

オーストラリア・バレエ団「白鳥の湖(全4幕)

振付:グレアム・マーフィー
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
台本:グレアム・マーフィー、ジャネット・ヴァーノン、クリスティアン・フレドリクソン
装置・衣裳:クリスティアン・フレドリクソン
照明:ダミアン・クーパー

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オデット:マドレーヌ・イーストー
ジークフリート王子:ロバート・カラン
ロットバルト男爵夫人:ルシンダ・ダン

女王:シェーン・キャロル
女王の夫:ロバート・オルプ
第一王女:久保田美和子
第一王女の夫:マシュー・ドネリー
公爵:アンドリュー・キリアン
公爵の若い婚約者:本坊怜子
伯爵:ダニエル・ゴーディエロ
伯爵の侍従:ツ・チャオ・チョウ
提督:コリン・ピーズリー
侯爵:マーク・ケイ
男爵夫人の夫:フランク・レオ
ハンガリー人の踊り:ローラ・トン、ジェイコブ・ソーファー
宮廷医:ルーク・インガム
大きい白鳥:ラナ・ジョーンズ、ダナ・スティーヴンソン
小さい白鳥:リアーン・ストイメノフ、ハイディ・マーティン、エロイーズ・フライヤー、ジーナ・ブレッシャニーニ
招待客、ハンガリー人、召使い、尼僧、従者、白鳥たち:オーストラリア・バレエ団

指揮:ニコレット・フレイヨン
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

◆上演時間◆
【第1幕】 15:00−15:55
休憩 20分
【第2幕】 16:15−16:50
休憩 20分
【第3幕、第4幕】 17:10−18:05