新国立劇場バレエ「火の鳥」/「シンフォニー・イン・C」/「ペンギン・カフェ」 2010年11月2日

新国立劇場 オペラ劇場 19:00開演

非常に充実したプログラムで大満足なトリプル・ビルだった(踊り手は大変だっただろうけど)。監督が替わり、演目やダンサーの起用に変化が見られ、今シーズンへの期待がますます高まった。

火の鳥
振付:M.フォーキン
音楽:I. ストラヴィンスキー


火の鳥     川村真樹
イワン王子   福岡雄大
王女ツァレヴナ 湯川麻美子
魔王カスチェイ 古川和則

川村さんは火の鳥の衣装がすごく似合っていた。すらりと長い手脚が羽飾りに負けないのだ。そして、腕の動きがほんとうに羽ばたきのようで、とても良かった。ジュテが低く、脚力が弱めなのかな・・・と思ったのと、火の鳥としては優しめかな・・・のが少し残念。でも、かなり良かった。

しかし、それにしてもこの演目は火の鳥以外は非常〜につまらなかった。福岡さんのイワン王子はサポートばかりで踊りの見せ場がない。王子オーラもまだまだ足りず、湯川さんとだと女王と召使っぽくなってしまう。そして、魔王カスチェイは演技だけ!せっかく古川さんを配しておきながら! 極めつけはエンディング。誰も踊らず、立ってるだけ!結婚式への参列で人はたくさん登場するので、そのためだけにたくさんの衣装が必要でなんだか無駄〜と感じた。

バレエ・リュスはやはり苦手・・・だが、こういうのを本格的に上演してくれるのは貴重だともやっぱり思ったりする。

「シンフォニー・イン・C」
振付:G.バランシン
音楽:ビゼー


第1楽章
プリンシパル: 長田佳世 福岡雄大
コリフェ: 西山裕子 大和雅美 福田圭吾 小柴富久修
第2楽章
プリンシパル: 小野絢子 冨川祐樹
コリフェ: 細田千晶 川口藍 澤田展生 田中俊太朗
第3楽章
プリンシパル: 酒井はな 芳賀 望
コリフェ: 寺島まゆみ 寺田亜沙子 グリゴリー・バリノフ 野崎哲也
第4楽章
プリンシパル: 本島美和 マイレン・トレウバエフ
コリフェ: さいとう美帆 高橋有里 アンダーシュ・ハンマル 原健太

第1楽章のコリフェの西山さんと大和さんが出だしから超輝いていて、すっかり舞台に引き込まれた。特に西山さんが伸びやかで素晴らしかった。長田さんと福岡さんも音楽によく乗って、すがすがしい踊りを見せてくれた。

第2楽章はちょっとジュエルズのダイヤモンドっぽくて途中で眠気に襲われた・・・小野さんはラインが本当に美しくて、脚が強い。大分主役オーラがついてきたかな・・・と思ったけど、第3楽章で酒井さんが出てきたら、これぞプリンシパルという輝きにやはり違う〜!と思った。久しぶりの酒井さん、もっと踊ってほしいな〜 コリフェの寺島さんも目を引いた。ところで、ひろみさんは??と思って検索したら、お2人のオフィシャルサイトも10月10日に終了となっていた!

マイレンは超〜〜〜かっこいい! 火の鳥の超キャラクターダンスの後にびしっとクラシックで大満足。


ペンギン・カフェ
振付:D.ビントレー
音楽:S.ジェフス


ペンギン: さいとう 美帆
ペンギンウェイター: 西山裕子、大和雅美
ユタのオオツノヒツジ:湯川 麻美子 M.トレウバエフ
テキサスのカンガルーネズミ: 八幡 顕光
豚鼻スカンクにつくノミ: 高橋 有里
ケープヤマシマウマ : 芳賀 望
ブラジルのウーリーモンキー : 福岡 雄大
熱帯雨林の家族: 本島 美和 貝川 鐵夫

ロンドンでバーミンガム・ロイヤル・バレエの公演を観たので、少々不安があったが、新国立の皆さん、しっかり踊りこなしていて、良かった〜

ペンギン&ウェイターはとーっても動きがキュート。さいとうさんはカーテンコールでもず〜っとペンギンステップしてくれていて、本当に可愛かった。

ユタのオオツノヒツジをエスコートするマイレン、めちゃめちゃカッコよかった〜〜〜〜〜〜〜〜!!垂涎。BRBの舞台を観た時はユタのオオツノヒツジのスカートを途中で超ミニにしちゃうのはなぜ??と思ったけど、これはちゃんと踊りを見せるためだったのだとわかった・・・(恥) テキサスのカンガルーネズミのところでは、ネズミが倒れたところで終わりだと思って思いっきり拍手を入れてしまった・・・ほんとに結構覚えていないものだ。ノミのところはBRBでは男性がキルトを着ていたように思ったのだが、黒のたぷっとして膝で裾を絞った半ズボンだった。変える訳はないだろうから、私の記憶違いだったのだろう・・・高橋さんはちょっと動きがぎこちなく、目立たなかったが転倒する場面も。

ケープヤマシマウマはBRBでもチャオ・ツィーが配されながら、あまり記憶に残っていないと思ったら、やはり見せ場のない振付だった。途中でシマウマガールズたちが出てくるので、そっちの特徴的な動きにどうしても目がいっちゃうのだ。シマウマガールズたちは結構がんばっていたけど、首と手の動きがもうひとつシャープさが足りなかったかな。BRBの方がガゼル(?よくチータとかに狙われてるやつ)っぽい動きだった。

ブラジルのウーリーモンキーの福岡さん、踊りがきれいで良かった。来年のロイヤルでマックレー君が踊るのは絶対これ!って思った。絶対似合う・・!と思わせてくれる踊りだった。(視点がおかしいのはご容赦) 福岡さんはこの日3演目すべてに主要キャストとして出演。大活躍!

熱帯雨林の家族・・・BRBで見たときはこれ厚地さんが踊っていたのでした。プログラムをみてびっくりしたけど、彼は新国立に移籍したのですね!今回の舞台にはキャストされていなかったようだけど・・・ふむ。

雨で皆が逃げ惑う時、皆被り物を取って素顔をみせる。この逃げ惑う間にノミとユタのオオツノヒツジがものすごいリフトをやっていてびっくり。

エンディングは初見のときほどの衝撃はなかった。コロシアムの方がより舞台に近かったから余計にだろうか