新国立劇場バレエ団「ラ・バヤデール」2011年1月16日 川村&芳賀
川村さんのニキヤは1、2幕はあまりインパクトがなくて、うーん、こんなものなのかーという感じ。前回のザハロワの時はその美しさにひたすら圧倒されたので、比べてしまうとどうも印象の薄いニキヤだったのだけど、3幕は一転、とても素晴らしかった!川村さんはチュチュが似合う!?というか・・・生前のニキヤの時は今一つ感情移入できるほどの演技をしていないというか。
ガムザッティとの対決が盛り上がらないのは牧版の振り付けのせいだとは思うが、籠の踊りでも悲痛な気持ちがほとんど伝わってこないのはやはり演技力不足だと思う。3幕はそういう意味の「演技」はいらないので、川村さんの端正な美しさが非常によく生きていたし、ヴェールでのバランスの安定性も回転の鋭さなど踊りも素晴らしく、しっかりと白のバレエを堪能させていただいた。音楽もヴァイオリンのソロが素晴らしかった〜
ソロルの芳賀さんももう一つ・・・やはり演技面だろうか。あんまりかっこ良い戦士には見えなかったなぁ。川村さんとあまりお似合いではないというか。ガムザッティの堀口さんとの方が会っていたかな。ソロの踊りはすごく良かった。ジュテ・アントルラセの高いこと。
堀口さんのガムザッティは衣装がとてもよく似合っていて、演技も良かった。もっとキツくても良かったかな。ただ踊りが・・・回転系がやや不安定だった。
ハイブラーミンの森田さん・・・てあんなにむっちり系だったかな?とてもまあるいもち肌の肩に何度も肉襦袢なのかと思わされた。ところで、ニキヤは2幕の最後でハイブラーミンから薬を受け取っちゃって、でもソロルが視線をそらせたので、薬を持ったまま息絶えていた。え〜?ソロルが側に来てくれたら、ハイブラーミンの申し出を受けるつもりだったの??と頭の中で?? なぜかあと2回も観てしまうので、じっくりここは検証させていただこう。
つぼの踊りの寺田さんはキュートなイメージがこの踊りにぴったり。つぼのバランスをとっているふりの演技が上手。でも、やはりこのいかにも固定してある壷を抜き取るのはもっとさりげなくやって欲しい・・・というか固定をもっと浅くして欲しい。引っこ抜いているのを観ると興ざめするのだ。
影の王国のコール・ド。アラベスク・パンシェはよく揃っていて素晴らしい。が、その直後のバランスが苦しい。あちこちでグラグラ〜で、こちらが心配になってしまう。あの連続アラベスクの後できついのだろうから、いっそ振り付けを変えては??
新国立劇場バレエ団「ラ・バヤデール」2011年1月16日(日)14時〜 新国立劇場・オペラ劇場
振付:マリウス・プティパ
改訂振付・演出:牧阿佐美
作曲:レオン・ミンクス
編曲:ジョン・ランチベリー
ニキヤ: 川村真樹
ソロル: 芳賀望
ガムザッティ: 堀口純
ハイ・ブラーミン(大僧正): 森田健太郎
マグダヴェヤ: 八幡顕光
黄金の神像 : 福田圭吾
トロラグヴァ: 貝川鐵夫
ラジャー(王候): 逸見智彦
ジャンペの踊り: 井倉真未 米沢唯
伊東真央 細田千晶 今村美由起 川口藍 加藤朋子 益田裕子
つぼの踊り : 寺田亜沙子
ブルー・チュチュ: 西川貴子 寺島まゆみ 丸尾孝子 本島美和
ピンク・チュチュ: さいとう美帆 高橋有里 大和雅美 伊東真央
アダジオ : グリゴリー・バリノフ 江本拓
第1ヴァリエーション: 長田佳世
第2ヴァリエーション: 西山裕子
第3ヴァリエーション: 米沢唯
舞台美術・衣裳・照明:アリステア・リヴィングストン
照明 :磯野睦
舞台監督:森岡肇
指揮:アレクセイ・バクラン
演奏:東京交響楽団
[予定上演時間]2時間45分[休憩含む]
第1幕=40分/25分休憩/第2幕=30分/25分休憩/第3幕=45分