新国立劇場バレエ団「ラ・バヤデール」2011年1月18日 小林&マトヴィエンコ

小林さんはニキヤ・デビュー。代役の報を聞いて、小林さんの主役は観てみたい!わざわざ買い足した。が、後で思いなおすに、プリンシパルでもないのに初役でゲストって??と思ったけど、マカロワ版でアンダーに入っていたのかな?なんて善意の解釈をし・・・で、1,2幕は物足りなかったけど3幕は素晴らしかった川村さんのニキヤとどれぐらい違うものなのか・・・と思いつつ観劇。

結果は川村さんと逆で、1、2幕は期待以上に本当に素晴らしく「格差」を感じたのだけれど、3幕はちょっと残念だった・・・見せ場で持ちこたえられず、あれほど丁寧だった踊りが雑になってしまった・・・。もったいないし、とても残念!

でも、1、2幕は本当に良かった。ヴェールを取った瞬間から、瑞々しくて清楚な美しさをたたえたとても素敵なニキヤだった。踊り始めると、ポール・ド・ブラや脚のラインがとても美しい。テクニック面でも、足をクロスしてポワントで立ったままアラベスク・・・で、片足ポワントのまま片脚を高く上げ、バランスをキープ。またそのラインが美しい。表情も豊かで、1幕ではソロルの求婚に対する喜びがしっかりと伝わってきたし、2幕のエンディングの花かごでのつかの間の喜び、そしてソロルの裏切りを目の当たりにした絶望など心情の変化を丁寧に表現していた。ガムザッティとの対決でナイフを手に取る演技も、2幕で蛇に噛まれる演技も自然で良かった。

それだけに3幕・・・も〜アダージオはともかくヴァリエーションが不安定でハラハラ〜 多少ミスがあっても、焦らずもっと毅然とやってほしかったなぁ・・・ 最後のシュネや、影の後のジュテは素晴らしく美しく高かったのに・・・

マトヴィエンコは噂通り張り切っていたー!しかし、登場した瞬間からかっこ良過ぎ!申し訳ないけど日本人ダンサーとはラインがまったく違うのだ。マネージュは高速で跳躍は高く・・・なんだかマトヴィエンコを見直した〜なんて失礼な。

ガムザッティの厚木さんはなかなか迫力あった〜 チュチュになると脚の長さにびっくり!でも、ラインが美しくないのが残念。

キャストは16日と同じ部分が多かったけど、金の仏像の八幡さんは素晴らしいキレのある踊り。高い跳躍とぴたっ!と止まるフィニッシュ。会心の出来・・・ではないだろうか。

今日はやや高い位置から観ていたので、コール・ドの美しさを堪能。これぐらい隊列を意識して全体を見ていると、ディヴェロップなどのぐらつきが気にならず、動きの揃い方をしっかり堪能できる。素晴らしかったー!

新国立劇場バレエ団「ラ・バヤデール」
2011年1月18日(火)19時〜 新国立劇場・オペラ劇場


ニキヤ: 小林ひかる(英国ロイヤル・バレエ)
ソロル: デニス・マトヴィエンコ(マリインスキー劇場


ガムザッティ: 厚木三杏
ハイ・ブラーミン(大僧正): 森田健太郎
マグダヴェヤ: 吉本泰久
黄金の神像 : 八幡顕光
トロラグヴァ: 貝川鐵夫
ラジャー(王候): 逸見智彦(全日)
ジャンペの踊り: 井倉真未、大和雅美
          伊東真央、細田千晶、今村美由起、川口藍、加藤朋子、益田裕子
つぼの踊り  : 寺田亜沙子
ブルー・チュチュ: 西川貴子、寺島まゆみ、丸尾孝子、本島美和
ピンク・チュチュ: さいとう美帆、高橋有里、西山裕子、米沢唯
アダジオ    : マイレン・トレウバエフ、菅野英男


第1ヴァリエーション:長田佳世
第2ヴァリエーション:西山裕子
第3ヴァリエーション:米沢唯