英国ロイヤル・バレエ「シンデレラ」 バッセル&マッカテリ 2005年7月10日 

初ダーシー! プロポーションが完璧。。シンデレラのみすぼらしいはずの衣装を着ていても、隠し切れない美しさ。。。灰なんてかぶってないよー! 踊りも優雅で気品があって。。。う〜ん、ほんとにすばらしい。 見てるだけで幸せになれるダンサーなんですね〜。 イギリス国民に最も愛されてる。。っていうのが納得できました。 

相手役予定のジョナサン・コープが持病の内臓疾患が悪化して、降板。怪我ではないというところがなんとも心配ですねー 代役はデヴィッド・マッカテリ。ロイヤルに入団して間もないらしく、誰??って感じでしたが、随所でダーシーがリードしてる感はあったものの、ノーブルな感じは十分だったし、なかなか良かったと思います。

主役張りに大活躍なのがシンデレラの義理の姉たちのアンソニー・ダウエル&ウェイン・スリープ。 ロイヤル版では継母はもう亡くなっている設定で、義理の姉たちが幅をきかせているのです。 もうこの二人の掛け合いが最高に笑えます。 お父さん役がウィリアム・タケットでしたが、踊りを見せる場面がほとんどないので、ちょっともったいない感じ。 

個人的には妖精の中の夏の精のサラ・ラムさんがお気に入りです。多分去年ロンドンで「オネーギン」を観たときにオルガ役をやっていて、とても良い印象を受けた方だと思うのです。

コール・ドの薄い紫の衣装がかわいらしかったです。 コール・ドは踊りはともかく(?)容姿のバランスが整っていて良かったです。 去年レニングラードを観たときに「ずいぶん皆さんがたいがよろしくて。。」と思ったことがあり、最近は日本のバレエ団の方が美しい〜と思ったりしていたが、一躍ロイヤルのコール・ドがお気に入りの上位に進出です。

ところで、この日は舞台の切り替えがガタガタしたのが残念でした。 1幕の四季の妖精が出てくるところなどは観客の目の前で舞台装置が早変わりするのに、ひっかかったり、ガラガラチェーンの音がしたり、天井からボールみたいなものが降ってきたり。。。手前で座って見てなきゃいけないダーシーさんもさぞかしドキドキだったことでしょう。 3幕でも切り替えに随分時間がかかっていました。。残念!

ところでアシュトン版はとても短いです。6時半開演でIntermission20分×2でも9時10分に終了でした。 最後の3幕が短いですね。 それにいわゆるグラン・パ・ド・ドゥがないっ! ちょこっとパ・ド・ドゥで難しいバランスポーズや高くあげるリフトをした後、二人でゆっくりと階段に登っていき、幸せに寄り添う後姿で終了です。 ちょっと物足りない感じもしましたが、最後のハッピーエンドはじ〜んとしました。

そう言えば、2列目の真ん中あたりというすばらしいお席!と思ったら、前の列の人にかぶって舞台中央が見えないのです! 前だから良いってわけではないのですねー。

最後のカーテンコールで、気がついたのですが、衣装のストラップがすれたのでしょうかダーシーの肩が真っ赤になってました。 透明なビニールのようなストラップ。。。見栄えは良いのでしょうが、ダンサーの肩がすれちゃうんだったら、普通の布のストラップで良いです。。。! カーテンコールでもダウエル&スリープのお姉さんコンビは良い味だしてました。

英国ロイヤル・バレエ「シンデレラ」
2005年7月10日 東京文化会館

シンデレラ: ダーシー・バッセル
王子: デヴィッド・マッカテリ
シンデレラの義理の姉たち: アンソニー・ダウエル ウェイン・スリープ
シンデレラの父: ウィリアム・タケット
仙女: イザベル・マクミーカン
乞食の老女: ジェイムズ・ウィルキー
ダンス教師: ジョシュア・トイファ
仕立て屋: ヨハネス・ステパネク
洋服屋: ヴァネッサ・フェントン フランチェスカ・フィリピ
靴屋: ミハイル・ストイコ
床屋: アンドレイ・ウスペンスキー
宝石屋: 蔵健太
御者: エリコ・モンテス
春の精: クリスティーナ・サレルノ
夏の精: サラ・ラム
秋の精: ラウラ・モレラ
冬の精: マリアネラ・ヌニェス
道化: ホセ・マルティン
王子の友人: ギャリー・エイヴィス リカルド・セルヴェラ マーティン・ハーヴェイ エドワード・ワトソン
求婚者: ジャコモ・チリアーチ デヴィッド・ピカリング