グルジア国立バレエ『ドン・キホーテ』 アナニアシヴィリ&ウヴァーロフ 2007年7月27日ソワレ

ニーナのキトリ、やっぱり苦しそうなところも多く見られましたが、可愛らしく、華やかで元気なキトリ。昨日のカンデラキは小道具が嫌い?なのか、扇を使ったのも最初だけでしたが、ニーナはカスタネットの踊りではカスタネットを持って、第3幕のヴァリエーションとコーダは扇を持って踊っていました。

ウヴァーロフ様はやっぱりノーブル〜なバジル。振付けの昨日のアンヘル君の回転しまくりなのとは随分違うし、アンヘル君の見せ方が派手なので、ウヴァーロフはちょっと「はにかみバジル」に見えてしまいます。でも、王子的な雰囲気のウヴァーロフ様がバジルのお茶目な演技をするところが良いんです!死んだ振りをしてる時にキトリの胸を触るシーンも、控えめに1回だけだし・・・・3幕のコーダのヴァリエーションでの横跳び(?右足は曲げて、左足は水平にして跳ぶやつ。パンフレットにもこのポーズの写真が出ていました)がかっこいい!  

今日のエスパーダはマントさばきも、見えの切り方もGOOD。やっぱ、エスパーダはこうじゃなきゃ。3日間の中で一番良かったです。圧巻はメルセデスの マイヤ・イリュリーゼ。やはり白鳥の時にスペインを踊っていた人で、背中が柔らかい!それを十二分に発揮できる振り付けだったので、彼女が反りながら回転する度に会場からどよめきと拍手が。それから、今日も私はコール・ドのセンターの彼にくぎ付け。あぁ、今後彼の踊りを見る機会はあるかしら・・・

そして、今日は二人のパートナーシップの良さも堪能。最初の片手リフトではニーナが右足を曲げた状態をキープしたままホールド。ウヴァーロフ様力強い! 2幕での背面ダイブでは飛び込んできたニーナを受け止めた後、そのまま抱えて二、三歩前へ進んだり、3幕目のリフトではニーナをホールドしたまま、舞台奥中央から前方袖まで移動!しかも、まったくよろけることもなく、しっかりとした足取りで。

ニーナの明るいオーラでエンディングは大盛り上がり。観客は皆にこにこで大拍手。カーテンコールでも大サービスしてくれて、会場は総立ち状態。

グルジア国立バレエ『ドン・キホーテ
2007年7月27日 18:30開演 東京文化会館

キトリ : ニーナ・アナニアシヴィリ
バジル (理髪師,キトリの恋人) : アンドレイ・ウヴァーロフ
ドン・キホーテ : ギオルギ・タカシヴィリ
サンチョ・パンサ (ドン・キホーテの従者) : ベサリオン・シャチリシヴィリ
ガマーシュ (裕福な貴族) : エフゲニー・ゲラシメンコ
ロレンゾ (キトリの父) : ユーリー・ソローキン
キトリの母 : テオーナ・チャルクヴィアーニ
キトリの友人 : ニーノ・マハシヴィリ,ラナ・ムゲブシヴィリ
ルチア (街の踊り子) : ニーノ・オチアウーリ
エスパーダ (闘牛士) : ワシル・アフメテリ
メルセデス (踊り子) : マイヤ・イリュリーゼ
ボレロ : ヴェーラ・キカビーゼ,ダヴィド・ホザシヴィリ
ジプシーの男爵 : アルチル・クヴィツィナーゼ
森の精の女王 : ショレナ・ハインドラーワ
3人の森の精 : アンナ・ムラデーリ,ニーノ・ゴグア,エカテリーナ・シャヴリアシヴィリ
4人の森の精 : テオーナ・アホバーゼ,ニーノ・マグラーゼ,ニーノ・サナーゼ,ツィシア・チョロカシヴィリ
キューピッド : マリアム・アレクシーゼ
酒場の主人 : アルチル・クヴィツィナーゼ
カルメンシータ : マイア・アルパイーゼ
第1ヴァリエーション : ショレナ・ハインドラーワ
第2ヴァリエーション : ニーノ・ゴグア
子供たち : 橘バレヱ学校 (指導:沢田加代子,高田麻名)

音楽 : レオン・ミンクス
振付 : マリウス・プティパ,アレクサンドル・ゴールスキー,ワフタング・チャブキアーニ
演出・振付改訂 : アレクセイ・ファジェーチェフ,ニーナ・アナニアシヴィリ ファジェーチェフ補佐 : タチヤーナ・ラストルグーエワ,ユリアーナ・マルハシャンツ
衣裳・装置 : ヴャチェスラフ・オクネフ
照明 : アミラン・アナネリ
衣裳および装置製作 : グルジア国立オペラ・バレエ劇場
装置協力 : 新国立劇場
指揮 : ザーザ・カルマヘリーゼ
管弦楽東京ニューシティ管弦楽団