ロシアバレエのスターたち プログラムB 2007年9月1日
新国立劇場 オペラ劇場 18:30開演
Bプロは先攻マリインスキー、後攻ボリショイでした。全般的にはボリショイの方がレベルが高いと思いました。マリインスキーはロパートキナで引き分けに持ち込んだ感じがいたします。
≪アルレキナーダ≫
<プティパ振付/ドリゴ音楽>
エフゲーニヤ・オブラスツォーワ&アントン・コールサコフ (マリインスキー)
プティパの作品の中ではかなりマイナーなものとか。かわいらしいお姫様とそれを狙う怪傑ゾロ?コールサコフは黒のタイツに白のふんわりシャツに眼には黒い仮面。コールサコフは跳躍力もあって、安定していて良いです。
≪病める薔薇≫※
<ローラン・プティ振付/グスタフ・マーラー音楽>
ウリヤーナ・ロパートキナ&イワン・コズロフ (マリインスキー)
プティがプリセツカヤのために振り付けた作品で、マラーの交響曲第5番のアダージェットにのせて全体的にゆっくりとしたテンポの踊り。最初にフランス語の台詞が入って(まったく意味がわからなかった!)、その後音楽と踊りが始まりましたが、この音楽がなぜか録音なのです!!音もあまり良くなくて、かなり残念。ロパートキナの踊りは相変わらず美しいのですか、音楽のせいかAプロの「3つの・・・」ほど感激がなかったなぁ。パ・ド・ブレや両腕を羽ばたかせるような動きが多く、ついロパートキナが白鳥に見えてしまいました。コズロフ君は今日のサポートはちょっといまいちだったような。
ところで、コズロフ君はこの7月にマリインスキーにソリストとして移籍してきたばかり。それ以前は2年単位ぐらいで移籍を繰り返して転々として古巣に戻ったりしていたようです。わりと珍しい経歴かな。それで、マリインスキーに入団して、ロパートキナのパートナーになれるなんて、かなり幸運をつかんだと言えるのでは??とっても美形で、体も美しく、ロパートキナとお似合い。今後の活躍が楽しみ。
≪眠れる森の美女≫
<プティパ振付/チャイコフスキー音楽>
アリーナ・ソーモワ&アンドリアン・ファジェーエフ (マリインスキー)
やっぱり、ソーモワはかわいい!オーロラにぴったり。でも、フィッシュダイブなしなのね・・・かわいいし、スタイルは良いし、テクニックもある。自分のかわいく見える顔も良く知っていて、くっ!と顔をかしげて微笑む。オーロラには良いけど・・・次回は演技力を問われる演目を見てみたいものです。
≪ジゼル≫ ※
<コラーリ振付/アダン音楽>
オレシア・ノーヴィコワ&ウラジーミル・シクリャローフ (マリインスキー)
うう〜ん、今回いいとこなしなシクリャローフ君。サポートがいまいちなのもさることながら、ヴァリエーションでもミスが・・・ ノーヴィコワは悪くはなかったけど、前回のルンキナがすごすぎて・・・
≪イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド≫
<フォーサイス振付/ウィレムス音楽>
イリーナ・ゴールプ&イーゴリ・コールプ (マリインスキー)
柔らかなイメージのイリーナ・ゴールプなので、やはり演目に合わないかな。長身、足長な人が踊るイメージの作品だし。イーゴリ・コールプはシャープで良かったです。
≪タリスマン≫
<プティパ振付/ドリゴ音楽>
エカテリーナ・オスモールキナ&ミハイル・ロブーヒン (マリインスキー)
それなりですが、演目にもダンサーにもなじみがない分、無意味に長かった感じ。二人とも生き生きと踊っていて好感は持てました。エカテリーナ・オスモールキナは華奢〜!!ミハイル・ロブーヒンは水色のオーガンジーのハーレムパンツっぽい衣装が結構似合っていたし、踊りも跳躍力があってまずまず。
2回も生で観ることが出来て、本当に幸せです。死の間際の腕の動き、表情が胸に迫ります。ロパートキナは珍しく、カーテンコールで微笑んでました。もちろんカーテンコールは3回。
≪海賊≫
<プティパ振付/ドリゴ音楽>
ヴィクトリア・テリョーシキナ&レオニード・サラファーノフ (マリインスキー)
テクニックには申し分ない2人。テリョーシキナのフェッテはちょっとひねりが。サラファーノフ君もマネージュの回転が2回宙ひねり?になっていました。これ、見せたかったのね。君がすごいのは良く分かったから・・・・ちょっと食傷気味かも。
≪ばらの精≫
<フォーキン振付/ウェーバー音楽>
ニーナ・カプツォーワ&イワン・ワシーリエフ (ボリショイ)
うう〜ん、ワシーリエフはテクニックがあるのは認めますが、この作品には合ってない。プロポーションが悪いので、全身ピンクタイツの衣装が見た目にきつい上に、演技のほうも両性的な怪しさを表現出来てない。私はすっかり、DVDや昨年末の白鳥の時の道化さんだと思っていたのですが、それはアンドレイ・イワーノフさんでした。顔も体型も似てるんだもん・・・
≪ライモンダ≫アダージョ
<プティパ振付/グラズノフ音楽>
ネッリ・コバヒーゼ&アルテム・シュピレフスキー (ボリショイ)
これまで、私の中で王子様マントが似合う人No.1はウヴァーロフ様だったのですが、本日より変更。シュピレフスキーかっこいい〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!Aプロの時は薄暗くてイケメンな気がするという感じだったのですが、明るいところで白の王子様衣装はもう反則!!そして、コバヒーゼもやはり美しい!この二人は踊りが安定していて、パートナーシップも良いペアです。アダージョで暗転した時は「もうお終いなの??」と軽くショック・・・もっと見たかった・・・
≪白鳥の湖 「黒鳥のパ・ド・ドゥ」≫
<グリゴローヴィチ振付/チャイコフスキー音楽>
エカテリーナ・クリサノワ&ドミートリー・グダーノフ (ボリショイ)
Aプロではいまひとつと感じた2人でしたが、これは良くまとまっていました。エカテリーナ・クリサノワはグラン・フェッテで脚と手を伸ばした回転をはさみ(だったと思う!)、テクニックをちょっとアピール。
≪スパルタクス≫
<グリゴローヴィチ振付/ハチャトリアン音楽>
スヴェトラーナ・ルンキナ&ルスラン・スクヴォルツォフ (ボリショイ)
ルグリのガラで見た時はフリーギアをきゃしゃで小さなフルステーだったので、妻との愛のパ・ド・ドゥという設定には多少無理がありましたが、ルンキナだと納得できます。ルンキナはジゼルの時よりはちょっとグラマラスに見え・・・フェロモン出しまくりに感じました。スクヴォルツォフのサポートも良く、片手リフトもばっちり。全幕で見たいです。
≪ミドル・デュエット≫
<ラトマンスキー振付/ハーノン音楽>
ナターリヤ・オシポワ&アンドレイ・メルクーリエフ (ボリショイ)
オシポワとメルクーリエフは黒のレッスン着のようなシンプルな衣装。暗い舞台のスポットライトの中で二人の踊りが繰り広げられます。振付的には「イン・ザ・ミドル・・・」に似てるかな。オシポワの動きは実にシャープでよかったです。最後に二人が倒れて終わった?と思ったら、ちょっと場所を移動してまた踊りだして終わります。どういう意味なのかしら??
≪ドン・キホーテ≫
<ゴールスキー振付/ミンクス音楽>
マリーヤ・アレクサンドロワ&セルゲイ・フィーリン (ボリショイ)
盛り上がります!マリーヤ・アレクサンドロワは本当に華やかで上手くって、観客をわくわくさせてくれるダンサーです。サポート付きのピルエットやシェネの回転がとにかく速くて小気味良い!グラン・フェッテはシングル主体で珍しくちょっと地味目でしたが、バランスがすごい!フィーリンのバジルは派手さはないけど、きれいで丁寧。こういう大人のバジルも結構好きです。
フィナーレはまたまた各ペアがそれぞれの演目の見所をちょっとずつ次々披露してくれるもの。一つの音楽の中で全員各演目をやるのが不思議な感じでおもしろい。スヴェトラーナ・ルンキナ&ルスラン・スクヴォルツォフの片手リフトがすごかった〜
充実のAプロ&Bプロ。ロシアバレエはやはりすごい。
ボリショイは来年12月の来日が決まっているようですが、マリインスキーもまた来て欲しいな〜