ミハイロフスキー劇場バレエ「くるみ割り人形」2009年12月23日マチネ

ミハイロフスキー劇場(レニングラード国立)バレエ 
くるみ割り人形」 全2幕
2009年12月23日(水)11:00開演 東京国際フォーラム ホールA

<キャスト>
マーシャ: アナスタシア・ロマチェンコワ
王子: アントン・プローム
ドロッセルマイヤー: アレクセイ・マラーホフ
くるみ割り人形: デニス・トルマチョフ
フリッツ : アンドレイ・ラプシャーノフ
父 : ミハイル・ヴェンシコフ
母 : オリガ・セミョーノワ
ネズミの王様 : リシャート・ユルバリソフ
コロンビーナ : マリア・ドミトリエンコ
ピエロ : マクシム・ポドショーノフ
スペイン人形 : マリア・リフテル、アレクサンドル・オマール
中国の人形 : ナタリア・クズメンコ、アレクセイ・クズネツォフ
アラビアの人形 アンナ・ノヴォショーロワ、オリガ・ラヴリネンコ、ズヴェズダナ・マルチナ、クセーニャ・ルシーナ、エレーナ・スヒーフ
パストラル アンナ・クリギナ、ユリア・チーカ、アンドレイ・ラプシャーノフ
トレパック(ロシアの人形): ナタリア・パルフョーノワ、アンナ・スーホワ、ニコライ・アルジャエフ 、ドミトリー・クドリャーフツェフ
ワルツ : オリガ・ステパノワ、ダリア・エリマコワ、マリア・グルホワ、ユリア・カミロワ
アルチョム・プハチョフ、アンドレイ・マスロボエフ、デニス・モロゾフ、ミハイル・ヴェンシコフ

指揮:ミハイル・パブージン
管弦楽レニングラード国立歌劇場管弦楽団
第1幕約55分 休憩20分 第2幕約55分


恥ずかしながら、こちらの「くるみ」は初めて。なんでチケットを取ったのかな?多分、新国立を観る前にオーソドックスであろうバージョンを観ておきたかったからだったかな。と思ったらそんなにオーソドックスでもなさそうだった。ちなみにプログラムをチェックしたら「ボヤルチコフ版」ということだった。くるみ割り人形が最初から最後までそのままの姿−人形としてよく踊るのが特徴的。全体的には・・・散漫な印象。

すごく印象の悪かった東京フォーラムホールAだが、10列台中盤のセンターブロックはまずまずであった。が、大きな会場の入りは8割といったところで、拍手の音がとても小さい。最後のブラボーはかなりとんでいたが、カーテンが降りるとすぐに拍手が止まってしまったのは悲しい感じ。

最初はワイノーネン版と同じくパーティへ行く人々。舞台設定が中世なのか、大人の男性役はみなさん横と後ろにロールのついてるヅラ。ドロッセルマイヤーもヅラ着用。人形に操られ?人形のような振付で登場。なぜ???この方背中が猫背ぎみなのがイマイチ。

くるみ割り人形は「人形」なしで、ひたすら人間が人形振りでよく踊る。トルマチョフの人形振りはなかなか上手で、足をフレックスにしてのピルエット・ア・ラ・スコンドはお見事。
人形の振りをしつつ、マーシャとのPDDがあり、わざとぎこちなくサポートもしなければいけないので、かなり大変な役だ。

フリッツ君がなかなかかわいらしかったし、お馬の棒にまたがったままよく踊る!父と母や客人たちも優雅に踊るシーンが結構あるのは良かった。

クリスマスツリーがしょぼい!!小さいときは良かったけど、大きくなる時が・・・装置がちょっともう古ぼけている感じ。

ネズミたちがとてもスタイリッシュな衣装。黒のタイツで足がきれ〜しかも随分大人数。クララがくるみ割り人形を助けて、人形がそのまま踊り出す。途中で王子に変身・・・この変身シーンは身長差がありすぎるせいか、ちょっとちゃちい。

踊り終わって、あれれ?王子はまたくるみ割り人形に戻っちゃうの?なぜ?そして、人形と一緒に雪の国へ・・・このシーンで特徴的な聖歌隊のようなコーラスがなく、シンセサイザー・・・・ 雪も降らなくて(多分)であぁぁ美しい・・・という感激度が低かった。

第二幕。紗幕の奥には各国の人形たち。マーシャが一緒に入るのは王子ではなく相変わらずくるみ割り人形!これにはかなり戸惑う。くるみ割り人形はかなり人形のまま出ずっぱり。ワイノーネン版と同じくねずみたちが追いかけてくるが、今度はくるみ割り人形がたたたっ!とネズミの王に駆け上がって撃退!

人形たちのディヴェルスマン。スペイン・・・振付がかっこよくない。男性はえらい美丈夫だったのだが、もったいない。中国の振付はかわいげが足りなかった。アラビアは女性4人の踊りなんだ・・・パストラル・・・これ衣裳が強烈すぎ。薔薇の精もびっくりな超メルヘンな花柄の上着にズラ。女性は良しとしても、男性はやだろうな〜 最後にコロンビーヌとピエロ、人形全員。

花のワルツ。屈強な男性ダンサーたちがまたしても白髪のズラ。う〜む。

マーシャとくるみ割り人形??おっと、良かったまた王子に変身してくれた。どうやら本気でPDDをやるときだけ王子になるらしい。花のワルツの男性陣がとりまきで残ってくれて、マーシャをリフトしまくり。王子は最後にまたくるみ割り人形に戻って・・・最後はマーシャがツリーの足元でリフトされ・・・?う〜ん、展開がよく飲み込めなかった。

結論から言うと、東京バレエのくるみを観たので、これは観に行かなくても良かったかも〜!!