ミハイロフスキー劇場バレエ 「バヤデルカ」 ペレン&ルジマトフ 2010年1月6日

ルジマトフ最後のソロルということで行ってみた。記録に残してないのだが、このバレエ団の「バヤデルカ」は随分前にザハロワ&ルジマトフで観たような気がする。(オーチャード・ホールだったと思うので2001年1月のよう)

もとい。この日は主役陣のミスが目立った。ルジマトフの衰えのせいなのか?シェスタコワはルジマトフのサポートミスで?ポワントが落ちてしまったり、おつきの男子たちとリフトの着地のタイミングが合わなかったりとややお気の毒な感じだった。彼女自身も少し重くなっていたような。

この版のガムザッティは1幕ではポワントを履いていなくて踊りではなく演技をみせる。ニキヤとの対決はなかなか迫力。ペレンは素晴らしい踊りを見せていたが、ルジマトフとの間に愛があまり感じられなかった。これもルジマトフのせいなのか?もちろんルジマトフの立ち姿の体のラインの美しさなどは、余人をもって代え難いとは思うが、全幕の主役はもうきついのかな・・・と感じた。

会場のチラシに、7月にシェヘラザード全編の公演の企画があるということで、はりきって先行申し込みしてきたが、今日の踊りを観て、果たしてルジマトフは金の奴隷を踊り切れるのかちょっと不安になった。

この日の白眉はコール・ド。影の王国は素晴らしかった。美しいことこの上なく、この演目が愛されるゆえんだなぁとしみじみ。おもしろかったのが、大僧正。結構純粋にニキヤを愛しているし、ソロルとガムザッティの結婚を企むのはこの人ではない。逆に大僧正にあんな男はだめですよ!なんて言ってるし。ニキヤに解毒剤を渡すときも、どうか飲んでくださいと哀願してるし。この版だからなのか?

すご〜く前にこのバレエ団の白鳥を観たときに、コールドの不ぞろいに唖然として、さすがシーズンに毎年日本に入り浸ってるだけのことはあるなんて思ってしまっていたが、訂正しなくては。

それから、ブロンズ・アイドルが体に色を塗っているのではなく、全身金のタイツ+手袋だったのは新鮮。確かに体をあんなに塗りたくらなくてもこれで十分だなぁ。筋肉美が堪能できないといえばそうだけど。ダンサーへの負担を考えると。

壷の踊りがかわいくなかった。太鼓の踊り&インドの踊りはすかっとして盛り上がって良い。こういうのが楽しめるようになったのがうれしい。

ミハイロフスキー劇場バレエ 「バヤデルカ」
2010年1月6日(水)18:30開演 Bunkamura オーチャードホール
第1幕約50分 休憩20分 第2幕約40分 休憩20分 第3幕約45分
音楽 : L.ミンクス
振付 : M.プティパ(改訂V.ポノマリョフ)
指揮:ミハイル・パブージン
管弦楽:レニングラード国立歌劇場管弦楽団

<キャスト>
ニキヤ(バヤデルカ): イリーナ・ペレン
ソロル(戦士): ファルフ・ルジマトフ
ガムザッティ(藩主の娘): オクサーナ・シェスタコワ
大僧正 ニキータ・ドルグーシン
ドゥグマンタ(インドの藩主) アレクセイ・マラーホフ
マグダウィア(苦行僧) アレクセイ・クズネツォフ
アイヤ(召使) ナタリア・グリゴルーツァ

隊長 リシャート・ユルバリソフ
奴隷 ウラジーミル・ツァル
ジャンペー マリア・グルホワ、ユリア・カミロワ
黄金の偶像 アントン・プローム
マヌー(壷の踊り) ナタリア・クズメンコ
インドの踊り オリガ・セミョーノワ、アレクサンドル・オマール
太鼓の踊り デニス・トルマチョフ
グラン・パ ダリア・エリマコワ、ユリア・カミロワ、エカテリーナ・クラシューク、アナスタシア・ルキヤノワ、アンナ・クリギナ、ユリア・チーカ、エカテリーナ・ホメンコ、マリーナ・ニコラエワ、ニコライ・コリパエフ、デニス・モロゾフ

幻影の場 ヴァリエーション アナスタシア・ロマチェンコワ、サビーナ・ヤパーロワ、アンナ・クリギナ