東京バレエ団「ラ・シルフィード」上野&サラファーノフ 2010年1月19日


東京バレエ団ラ・シルフィード」(全2幕)
2010年1月19日 18:30〜 東京文化会館

ラ・シルフィード上野水香
ジェイムズ:レオニード・サラファーノフ
エフィー(花嫁):西村真由美
ガーン(ジェイムズの友人):松下裕次
マッジ(魔法使い):平野玲
アンナ(ジェイムズの母):加茂律子
【第1幕】パ・ド・ドゥ:佐伯知香−長瀬直義
【第2幕】シルフィードソリスト):乾友子−奈良春夏−田中結子

指揮: 井田勝大
演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団

◆上演時間◆
【第1幕】 18:30 〜 19:25
休憩 25分
【第2幕】 19:50 〜 20:40


全幕初見。事前にパリ・オペのDVDで少々予習したものの最初の方をチラ見しただけなので、作品そのものを素直に観て楽しむ事が出来た。

失礼ながら、思ったより上野さんのシルフィードは良かった。技術的にも安定していたし、軽やかだったし、妖精というさほど情感を要求されない役には良くあっていた(褒めている)ように思う。ただ、上野さんの角っとした肘がいつも気になる。ラインが美しく見えないのだ。それから、最初に暖炉の中に消えていく時の足先が気が抜けていた。ここはしっかり足先まで気を配ってほしかった・・・

サラファーノフの踊りは抜群!ただ、彼の場合はイワン以外何を踊ってもサラファーノフにしか見えないところが・・・本当にタリオリーニの時代にこれが振付けられ踊られたのかと思うぐらいに、細かく複雑な足さばきが必要とされる振付だ。DVDのガニオ君も良くこなしているな〜と思ったけど、サラファーノフは余裕を持ってこなしていたように観えた

エフィの西村さんは失礼ながら、背が低く顔が大きめで、正直サラファーノフと不釣合い・・・と思った。が、後から思えばそれも演出のうちなのか?と思い直した。

ガーンは松下さんを配しながらほとんど踊りがない!舞台に出ている間はほとんど演技で、一幕の幕が下りる間際にジェームズの失踪に気絶するエフィに大丈夫?と跪く前に2回転・・・するぐらい他の日にはパ・ド・ドゥを踊ったから良いのか?

パ・ド・ドゥの佐伯さんが素晴らしかった。彼女をエフィにして欲しかった・・・サラファーノフともバランス良いし・・と思いながら観たが、エフィよりむしろシルフィードが良かったかも。

平野さんのマッジはオペラグラスで見たらなかなか化粧栄えする美人さんだった(笑)
2幕の最初ではマントさばきも華麗なステップ。なぜか微笑ましかった。

2幕のコール・ドが圧巻。見ごたえはあったが、少し長すぎて飽きてしまった感もある。ストーリー展開があまりないので、とにかく踊りがいっぱいで主役は踊りっぱなしに近い。

シルフィードの浮遊感を出すための舞台装置が大掛かり。暖炉に消えたり、乗った台が下に降りたり、すばやく平行移動したり・・・舞台の高いところからシルフィードが登場したり、ワイヤーで吊られて空中を浮遊し、天井に消えていったり・・・ただ、ちょっと大道芸的に見えなくもない。バレエにここまでワイヤーがなくても・・・と思ってしまった。