東京バレエ団「シルヴィア」セミオノワ&ゴメス 2010年2月26日

ポリーナ・セミオノワはスタイルも良いし、テクニックも素晴らしいダンサーなのだけど、これまで何を踊ってもなんとなく役との違和感を感じることが多かったが、シルヴィア」はとても彼女のキャラクターと技術力に合っていて、本日は初めて役としっくり感を持って観ることができた。

そして本日の白眉は何よりゴメス君!!!! アミンタの衣装がマッチョな体に良く似合うし、素足がまたセクシー。ソロの踊りは高い跳躍、着地音がほとんどしない。しっかりしたバランスのキープ、ラインの美しさ・・・ロイヤルの時はデヴィッド・マッカテリだったからかアミンタのソロがこんなに素敵な踊りだとは思わなかった。踊る人によってえらく違うものだ(当たり前か!)

さらに、サポートすれば、また完璧で、あんなに優しさと愛にあふれたサポートは初めて見たような気がする。大きくて重いだろうポリーナちゃんを長時間高々とリフト。ダイブも見事にキャッチ。本当に素晴らしい!!!第二幕は出番がなくてすごく残念。もっと踊ってほしかった。ABTの来日公演は椿姫・・・激楽しみ!そして、Kings of Dance、やはり絶対観たい・・・!と強く思った。

最初の森の精たちの中に多分佐伯さんがいたと思うが、彼女はやはりとても目を引かれる。吉川さんも主要なキャストになってきた。小出さんも復帰。足さばきが丁寧で相変わらず好感の持てる踊り。

エロスはなんだかイマイチだった。エロスはもっと神々しくっておもしろくて、踊りもすごい役だったと思うのに。ロイヤルの時のマーティン・ハーヴェイのマッチョなイメージが強いせいか?

アシュトン版はディアナはまったく踊らない。直近観た「シルヴィア」がビントレー版では、かなり出番も多く踊る役だったので、全然登場しないのにちょっとびっくり。ロイヤルの時はマーラ・ガレアッツィの存在感がすごかったし。

東京バレエ団「シルヴィア」(全3幕)
2010年2月26日 18:30〜 東京文化会館 大ホール
【第1幕】 18:30 ― 19:15
【第2幕】 19:35 ― 20:00
【第3幕】 20:20 ― 20:55

振付:フレデリック・アシュトン
復元:クリストファー・ニュートン
音楽:レオ・ドリーブ
振付指導:クリストファー・ニュートン、アンナ・デリシア・トレヴィエン

シルヴィア(ディアナのニンフ):ポリーナ・セミオノワ
アミンタ(羊飼い):マルセロ・ゴメス
オリオン(邪悪な狩人):高岸直樹
エロス(愛の神): 後藤晴雄 
ディアナ(狩り、純潔の女神):高木綾

【第1幕】
シルヴィアのお付き:乾友子、高木綾、奈良春夏、吉川留衣、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、加茂雅子
【第2幕】
オリオンの女官:吉川留衣、河谷まりあ
奴隷:高橋竜太、岡崎隼也
【第3幕】
山羊:河合眞里-松下裕次
シルヴィアのお付き:乾友子、奈良春夏、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、加茂雅子、小川ふみ、二階堂由依
ケレスとイアセイオン:吉川留衣-梅澤紘貴
ペルセフォネとプルート:佐伯知香-平野玲
テレプシコールとアポロ:小出領子-長瀬直義

指揮: ベンジャミン・ポープ
演奏: 東京ニューシティ管弦楽団