パリ・オペラ座バレエ団 『シンデレラ』 ジロー&パケット 2010年3月14日

すごく面白かった!読み替えは色々あるけど、これはかなり無理なく成功していて、素直に楽しめた。そして、ヌレエフらしいステップ盛りだくさんの振り付けに難しいフォーメーションで踊りまくるコール・ドももちろん健在。舞台装置もおおがかりでゴージャス。見所満載な作品である。

マリ=アニエス・ジローはこれが初役とのことだが、長年リハーサルしてはいたということで、素晴らしい踊りだった。どうしても肩幅の広さが気になるところではあったが、それを払拭するような女性らしい腕の動き。前回の白鳥・・・観たかった(涙)。二幕の映画スターと踊るシーンなどではDVDのアニエスよりむしろかわいらしいシンデレラだった。

カール・パケットも初役なのだが・・・なんとも彼はオーラがない!全然映画スターじゃなくて、庶民的な男の子にしか見えなかった。ヌレエフの難しい振り付けを良くこなしていたとは思うが、なんだかもっさりしていて、DVDのマルティネスのようなエレガントさがまったくない。ジローが熱演していただけに、相手役がマルティネスだったらなぁと思わずにはいられなかった。・・・とは言え、サポートはすごく上手で、PDDのジローが輝くのにかなり貢献していたのですがね。

そのマルティネスの継母はさすが(笑)。踊りも演技も申し分ないが、なんと言っても表情と仕草が最高。映画スターより目が引き付けられた。二人の義理の姉たちもなかなか公演。ステファニー・ロンベールはDVDでも同役なので、万全(?)。映像より少し抑え気味だったかな?小さいほうの姉はメラニー・ユレル。控えめな雰囲気の彼女がコミカルな役をがんばって演じていたと思う。

映画プロデューサーのヴァンサン・シャイエは少し存在感が薄いかな。DVDのロモリさんが強烈な印象だからなぁ。ダンス教師は当初のパンジャマン・ペッシェが降板となり、マチアス・エイマン。絶好調でとにかく軽やかで鮮やか。

主要キャスト以外では、春のマチルド・フルステーがとってもエレガントになったなぁと。それから夏の男性の一人・・・たぶんヤン・サイズ。すっごくかっこよくて踊りがエレガントでサポートもうまくって・・・なんですけどっ!!なぜ、今まで気がつかなかったのかしら??

この日はプログラムの引換券を持参していなくて、まだプログラムを見ておらず、詳細はまた今日のソワレの後でも追記しよう。

パリ・オペラ座バレエ団 『シンデレラ』
2010年3月14日(日) 1:30 p.m. 東京文化会館
第1幕:13:30 – 14:15
第2幕:14:35 – 15:20
第3幕:15:40 – 16:20

音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
振付:ルドルフ・ヌレエフ
装置:ペトリカ・イオネスコ
衣裳:森英恵
照明:グイード・レヴィ
1986年 パリ・オペラ座初演

演奏:東京ニューシティ管弦楽団
指揮:コーエン・ケッセル

シンデレラ:マリ=アニエス・ジロー
映画スター:カール・パケット
二人の義姉:メラニー・ユレル、ステファニー・ロンベール
継母:ジョゼ・マルティネス
ダンス教師:マチアス・エイマン
プロデューサー:ヴァンサン・シャイエ
父:エリック・モナン

第1幕
第1場:映画の断片
メイド:モー・リヴィエール、シルヴィア=クリステル・サン=マルタン、 ジェニファー・ヴィソッキ

ヴァイオリニスト:河合晃太、吉岡篤志

第2場:ファッション・ショー
春:マチルド・フルステー
エロイーズ・ブルドン、フロリモン・ロリウー、オバーヌ・フィルベール、フロリアン・マニュネ
夏:エヴ・グリンツテイン
サブリナ・マレム、ジョシュア・オファルト、ヴァネッサ・レガシー、ヤン・サイズ 秋:シャリーヌ・ジザンダネ
ヴァランティヌ・コラサント、ニコラ・ポール、カロリン・ロベール、ファビアン・レヴィヨン
冬:サラ・コーラ・ダヤノヴァ
エレオノール・ゲリノー、アクセル・イボ、ルシー・クレマン、シモン・ヴァラストロ

第2幕
第1場:撮影現場 映画監督:アレクシス・ルノー アシスタント:シモン・ヴァラストロ オーディション:レオノール・ボラック、クララ・デルフィノ、レイラ・ディラク、ノエミ・ジニアディス、ペギー・デュルソー、マリーヌ・ガニオ、エミリー・アスブン、リュシー・マテシ、ソフィア・パルサン、ニノン・ロー、モー・リヴィエール、 ジェニファー・ヴィソッキ
映画1:無益な追跡
囚人:アレクサンドル・ガス
看守:ジュリアン・コゼット、ユーゴ・ヴィリオッティ、エリオ・クラベル、エティエンヌ・フェレール

映画2:パロディ・パレード
侯爵:ピエール=アルテュール・ラヴォー、アレクサンドル・ラブロ
倒錯者たち:ジャン=バティスト・シャヴィニ、シリル・ショクルン、ピエール・レティフ、バンジャマン・ユッソン

映画3:キングコング‐リメイク
タヒチアン・ガール:クララ・デルフィノ、レイラ・ディラク、ノエミ・ジニアディス、ペギー・デュルソー、エミリー・アスブン、ソフィア・パルサン
インディアン:アレクサンドル・ガス、ユーゴ・ヴィリオッティ、パスクアーレ=アレッシオ・レッツァ

第2場:シンデレラの撮影
映画スターの友人:ベルトラン・ベレム、フロリアン・マニュネ、ニコラ・ポール、ヤン・サイズ、マチュー・ボト、ヤン・シャイユー、イヴォン・ドゥモル、ジュリアン・コゼット
他ダンサー、カメラマン、メイドなど(割愛)
第3幕
第1場:シンデレラを探して
スペインの居酒屋:
ステファニー・ロンベール
アマンディヌ・アルビソン、ヴァネッサ・レガシー、カリーヌ・ヴィラグラッサ

中国の酒場:
メラニー・ユレル
ミリアム・カミオンカ、ルシー・クレマン、エレオノール・ゲリノー

ロシアのキャバレー:
ジョゼ・マルティネス
ペギー・デュルソー、エミリー・アスブン、ニノン・ロー

第2場:シンデレラの家
第3場:シンデレラ、映画女優になる