<マラーホフの贈り物>[プログラムA] 2010年5月19日

‐第1部‐

「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」
振付:クリスティアン・シュプック、音楽:ジョアッキーノ・ロッシーニ
エリサ・カリッロ・カブレラ ミハイル・カニスキン

これが1演目ですか!ま、つかみはOKという考え方かもしれませんが・・・
出来は悪くないのですが、この演目は何度も観ておもしろいものではないし、イメージとかけ離れたダンサーがこの人がこんなことやっちゃうの??を楽しむものなので、あまり日本で知名度がないダンサーがやっても受けないのです・・・正直もう一生見なくても良い演目かも。

「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン、音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ ウラジーミル・マラーホフ

私ってほんとに「ダイヤモンド」の良さがわからない人・・・
あのまったりとした音楽・・・抑揚のない振り付けに間違いなく眠気を催すのです・・・
ポリーナちゃんの衣装がゴージャスで気に入りました。

「ボリショイに捧ぐ」
振付:ジョン・クランコ、音楽:アレクサンドル・グラズノフ
マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメイカ

クランコがボリショイの1958年のロンドン公演を観て、感激してボリショイ風の振り付け作品を作ってみた・・・ということらしい。
確かにスパルタクスに出てくるようなアクロバティックなリフトの数々。マライン・ラドメイカー君、なかなかやりますね! 前回の来日公演では彼の踊りを見なかったのが悔やまれる・・・次回は絶対おさえよう。

アレクサンダー大王
振付:ロナルド・ザコヴィッチ、音楽:ハンス・ジマー
エリサ・カリッロ・カブレラ レオナルド・ヤコヴィーナ

バレエ・フェスでポリーナ・セミオノワとフリーデマン・フォーゲルが演じたものだけど、こちらの方がより官能的で情熱的で良かった。
ヤコヴィーナは長身で逞しくとても男性的で、勇猛な若き「大王」にぴったり。フォーゲルはどうしても王子様ちっくなので、ガタイの良いセミオノワにかわいがられている感じがした。
エリサ・カリッロ・カブレラは褐色の肌で長身細身。体型や身体能力的にはポリーナちゃんと似たようなタイプなのに、全然色っぽい。ラテン系だから??というか、どうもポリーナちゃんの踊りにはいつも「情感」が感じられないのだ。

コッペリア」よりパ・ド・ドゥ
振付:アルチュール・サン=レオン、音楽:レオ・ドリーブ
ヤーナ・サレンコ ディヌ・タマズラカル

ヤーナ・サレンコちゃんはまたこれ???という感じ。バレエ・フェスでも観たし・・・もうテクニックがあるのはわかったので、モダンとか踊ってみせてくれないかしら??
パートナーのディヌ・タマズラカル君は跳躍が軽やかでまったく着地の足音がしない。初見のダンサーだと思ったら、以前ベルリン現地で観た「くるみ割り」でやはりヤーナちゃんのパートナーでした!

‐第2部‐

「仮面舞踏会」より"四季"
振付:ウラジーミル・マラーホフ 音楽:ジュゼッペ・ヴェルディ
冬:上野水香
  長瀬直義、宮本祐宜、梅澤紘貴、柄本弾
春:吉岡美佳、柄本武尊
夏:ポリーナ・セミオノワ、ウラジーミル・マラーホフ
秋:田中結子、松下裕次
ほか東京バレエ団

う〜ん、正直この第2部はなくても良かった(笑)
衣装がゴージャスで目の保養にはなったけど・・・

‐第3部‐

カラヴァッジオ」よりパ・ド・ドゥ(第2幕より)
振付:マウロ・ビゴンゼッティ、音楽:ブルーノ・モレッティクラウディオ・モンテヴェルディより)
ウラジーミル・マラーホフ レオナルド・ヤコヴィーナ

上半身裸で下半身も肌色の短いパンツの男性二人のPDD。ちょっとプティの「失われた時を求めて」のモレルとサン・ルーのPDDを思わせる雰囲気。
印象的ですごく面白かった。
そして、やはりここでもヤコヴィーナの肉体にほれぼれ。
華奢で小柄なマラーホフとは少しアンバランスに感じた。
ベルリン国立バレエの『カラヴァッジオ』は録画してあるのだけど、まだ観てない・・・観なくては!

「ゼンツァーノの花祭り
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル、音楽:エドヴァルド・ヘルステッド
ヤーナ・サレンコ ディヌ・タマズラカル

これはブルノンヴィル振付だったのか。
ディヌ・タマズラカルのステップが素晴らしかった。本当に着地音がしなくて軽やか。
サレンコちゃんはまたこの手の演目か・・・と思ったけど、この演目は初見だったので、まだ良かったかな。

「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー、音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメイカ

素晴らしい。
会場中が2人の世界に飲まれました。
全幕で観たい!と誰もが思ったことだろう。
この2人が組んで踊るのは初めてとのことですが、すごく良いんじゃないだろうか!!
アイシュヴァルトの黒髪が椿姫のイメージに好く合う。ドレスもとても似合っていた。
そして、金髪の若いアルマンっ!!!!
リフトも上手でした。
シュツットガルトの次回の来日公演は白鳥を止めて是非「椿姫」に!

「トランスパレンテ」
振付:ロナルド・ザコヴィッチ、音楽:アルシャク・ガルミヤン、マリーザ
ベアトリス・クノップ ミハイル・カニスキン

フラメンコのイメージ?
ベアトリス・クノップが赤のロングドレスの裾を長い脚でひらめかせながら情熱的に踊っていたのが印象的。
カニスキンは白のシャツに黒のサスペンダー付きのパンツ。かっこいい!
踊りもシャープ。
良かったのだけど、椿姫の後だったのが残念。前にしてほしかった。

「瀕死の白鳥」
振付:マウロ・デ・キャンディア、音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウラジーミル・マラーホフ

しなやかな動きで白鳥を表現していたのは見事・・・
けど、瀕死だったかな?
ところで、マラーホフは短パン一丁好き??
ボーン版のような羽をフサフサをつけたらもっと白鳥っぽかったような。

◆上演時間◆

【第1部】 18:30−19:20
休憩 15分
【第2部】 19:35−20:10
休憩 15分
【第3部】 20:25−21:15

休憩が短かった。