バレエ・アステラス☆2010 2010年8月1日 昼公演

新国立劇場 中劇場 2:00p.m.-

何か新しい発見があるかな・・・とふと気が向いて取ったチケット。
見捨ててスタ・ダンのガラにもう1回行きたいところだったけど、ぐっとがまんして(?)観に行った。
最初の30分ぐらいでかなり後悔したが、その後は持ち直し、滅多に来日機会のないカンパニーのダンサーを観ることができるこういう企画も悪くないと思えたので良かった。

【オープニング】  
『ワルツ』
振付: 牧阿佐美
音楽: シャルル・グノー
新国立劇場バレエ研修所研修生・予科生の皆様

くるみの花のワルツのような雰囲気の作品だったかな。女子はみんな小顔で首やら手足が細〜く長〜い。日本人はますます進化しているのだな〜と感心。

パ・ド・ドゥ集】
海外で活躍する日本人バレエダンサー

『グラン・パ・クラシック』 
振付: ヴィクトル・グゾフスキー
音楽: ダニエル・オーベール
山口真有美 (スウェーデン王立バレエ団) & レミ・ヴォルトマイヤー (オランダ国立バレエ団)

山口さんはさきほどの研修生の生徒さんたちのプロポーションにほほ〜と感心していた私を現実に引き戻す体型・・・小さいのはしょうがないけどかなりぽっちゃりさん・・・でも、テクニックとかすごいのかしら?と観ていたら、緊張していたのか、かなりミスだらけ。しかも、自分にいっぱいいっぱいで、ちっともパートナーに対する配慮がないように見えた。レミ・ヴォルトマイヤー君もとりたてて印象に残らず。昨日のポルーニン君は良く踊っていたのだと再認識。

『シンデレラ』第2幕のパ・ド・ドゥ
さいとう美帆 (新国立劇場バレエ団ソリスト) − 芳賀望 (新国立劇場バレエ団ソリスト

こちらはレパートリーですからね、しっかりがっちり。芳賀君はずいぶん頭がくりくりしてた。

『眠れる森の美女』第3幕のパ・ド・ドゥ
玉井るい (ウィーン国立歌劇場バレエ団) − エフゲニー・ラグノフ (ウクライナ国立キエフ・バレエ団)

これがまた・・・ソリスト未満は経験のなさが露呈してしまうのだろうか。玉井さんは日本人離れしたスタイルで容姿は抜群なのだけど、まずは随分日焼けした健康的なオーロラ・・・ミスが続いて最後はメタメタ。こちらもパートナーのエフゲニー・ラグノフとの息もかなりずれまくり。
 

『ロメオとジュリエット』バルコニーのパ・ド・ドゥ
加治屋百合子 (アメリカン・バレエ・シアター) − ジャレッド・マシューズ (アメリカン・バレエ・シアター)

ああ、やっとまともなレベル。加治屋のドン・キ(夜のプログラム)は絶対良いとは思ったけど、敢えてこちらを観てみたかったので昼公演にしたのだ。結果は・・・ちょっと失敗かな・・・ 踊りの技術的なところはまったく問題なかったけど、体のラインがあまり美しくなかった。リフトされた時の脚が開きすぎてたりとか。ジャレッド・マシューズはソロのキレもすばらしく、リフトもしっかりサポートしていて、かなり高得点のロミオだった。

チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』 
倉永美沙 (ボストン・バレエ団プリンシパル) − ジェイムズ・ホワイトサイド (ボストン・バレエ団プリンシパル

踊り始めてすぐに「これはできる!」と舞台に釘付けになった。プリンシパルの踊りはやはり格が違う。倉永さんはテクニック、音楽性ともに完璧。これまで観た同演目の中で1、2を争う素晴らしさだった。ジェイムズ・ホワイトサイドは結構大柄でがっちりなのだけど、踊りにキレがあって早い動きでも緩慢さがなくコントロールが効いていて良かった。ボストン・バレエでは2人はどんなレパートリーがあるのかな。なかなか観る機会がないので、この2人だけでも来た甲斐があった。

『アラジン』第2幕のパ・ド・ドゥ 
小野絢子 (新国立劇場バレエ団ソリスト) − 清瀧千晴(牧阿佐美バレヱ団)

小野さんは度胸のある人だ〜 倉永さんの完璧な踊りの後でもまったく関係なく、そしてひけを取らない踊りを見せられる。そういえば新国立って全然昇進がないのね。さいとうさんもそうだけど小野さんや主役をほとんど踊っている人でも何年もソリストのままなんて。清瀧さんはほとんどサポート係りだったので印象にない。ジャンプして後ろ向きに飛び込んできた小野さんを肩に乗せるリフトはよろめいたけど、がんばってキープ。っていうかなんで八幡君じゃないの??

『ジゼル』第2幕のパ・ド・ドゥ 
菅野茉里奈 (ベルリンベルリン国立バレエ団ドゥミソリスト) − ライナー・クレンシュテッター (ベルリン国立バレエ団

ソリスト未満は出さないで・・・と前半に思ったのに、それを完全に覆されました。菅野さん、すばらしいジゼル!ラインも美しくって、ちょっとルンキナっぽい。ライナー・クレンシュテッターはマラーホフっぽい雰囲気。2人でジゼルの世界をしっかり作っていた・・・と思ったら、この2人で全幕を日本で踊ったりしているのね。

『ルビーズ』パ・ド・ドゥ 
富村京子 (香港バレエ団プリンシパル) − 藤野暢央 (香港バレエ団プリンシパル

こちらもさすがはプリンシパル・・・と言いたいところなのだけど、バランシンは・・・特にジュエルズはどうにも私を眠りに誘うので・・・ごめんなさい。多分、とても良かったはず・・・

『海賊』パ・ド・ドゥ
佐久間奈緒バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパル) − 厚地康雄 (バーミンガム・ロイヤル・バレエ団アーティスト)

佐久間さんは超貫禄・・・厚地さんがちゃんと奴隷に見えた(苦笑)。・・・というか、厚地さんは「アーティスト」なの??? 跳躍も回転も素晴らしく見ごたえのあるアリだったのに・・・一番下の階級なんて信じられない!ちょっとびっくり。