バーミンガム・ロイヤル・バレエ団「ダフニスとクロエ」「真夏の夜の夢」2011年5月27日
「ダフニスとクロエ」はかなり眠くなってしまった。音楽がどうも全般的にまったりして抑揚がなく、集中力がもたなかった・・・「牧神」と似たまったり感だが、牧神はもっとハープの旋律が美しく、心地よいが、ラヴェルのこの音楽は美しい旋律がなかった(と感じた)ストーリーは「シルヴィア」と良く似ているが、ダフニスは寝てただけで、クロエを助けたのはパンの神で・・・神話のお話のはずだが、衣装は現代的。男性はチノパンにシャツ、女性は丈が長い原色のワンピース。なんだか???がいっぱいだった。
とりあえず、ダフニス役のジェイミー・ボンドがえらくハンサムでびっくり。オペラ座のエルヴェ・モローをもうちょっとがっしりさせた雰囲気。そして踊りもいけてた。長い杖を持ったままのトゥール・ザンレールがちゃんときれいに5番に降りていて、思わず唸ってしまった。クロエへのサポートも優しいし。どうしてこれまで目に入らなかったのかしら??怪我で舞台を遠ざかっていたりしたせいかな?
アレクサンダー・キャンベル君は文句なし。軽々と跳ね回っていた。でも、悪い海賊としてクロエを襲っちゃうようには見えなかったなぁ。海賊の踊りは面白かった。
が、クロエが助け出されて二人で愛を確かめ合うPDDがまたまったり音楽で意識が飛び・・・ 見終わった後は、他の作品にしてほしかったな〜と思ってしまった。アシュトンだったら、エニグマ・ヴァリエーションとか他のものもあったよね?
「ダフニスとクロエ」
音楽:モーリス・ラヴェル
振付:フレデリック・アシュトン
衣裳・装置:ジョン・クラクストン
照明:ピーター・テイゲン
クロエ(羊飼い):ナターシャ・オートレッド
ダフニス(山羊飼い): ジェイミー・ボンド
リュカイオン(都会から来た人妻):アンブラ・ヴァッロ
ドルコン(牧夫):マシュー・ローレンス
ブリュアクシス(海賊の首領):アレクサンダー・キャンベル
パンの神: トム・ロジャース
ニンフたち:ヴィクトリア・マール、ジェンナ・ロバーツ、アンドレア・トレディニック
羊飼いたち、海賊たち:英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団
アシュトン版「真夏の夜の夢」は、スティーブン君のオベロンを観てるはずなのに、なぜか頭の中がバランシン版モードになっていた・・・ う〜む。
それにしても、都さんって全然まだまだ踊れるのね〜。手足が華奢で軽やかで、かわいらしくって。妖精そのもの。セザール・モラレスはスタイルは良いのだけど、ラインがあまり美しくなく、今一つ魅力的ではなかった。何度もスティーヴンのオベロンを思い起こしてしまった。あぁ、今のところスティーヴンだったら、きれいなアラベスクだろうな〜とか(←病気)都さんともばっちりのパートナーシップだったスティーヴンを呼んでほしかったよー
ここでも、キャンベル君は文句なく大活躍。大分がっちり体型になっちゃったのね。セザール・モラレスが華奢なせいか、オベロンがますます霞んでしまった。ロバート・パーカーのボトムはポワントワークもうまかったし、演技がとってもかわいくってユニークで良かった。
最後はみんなハッピーエンドで、心があったかくなった。
「真夏の夜の夢」
音楽:フェリックス・メンデルスゾーン
振付:フレデリック・アシュトン
衣裳・装置:ピーター・ファーマー
照明:ジョン・B. リード
オベロン:セザール・モラレス
タイターニア:吉田 都
インドからさらってきた男の子:小林 巧 (東京バレエ学校)
パック:アレクサンダー・キャンベル
ボトム:ロバート・パーカー
村人:ジョナサン・カグイオア、キット・ホールダ−、ロリー・マッケイ、ヴァレンティン・オロヴィヤンニコフ、クリストファー・ロジャース=ウィルソン
ハーミア:アンドレア・トレディニック
ライサンダー:トム・ロジャース
ヘレナ:キャロル=アン・ミラー
デミトリアス:マシュー・ローレンス
蜘蛛の精: アランチャ・バゼルガ
エンドウの花の精:レティシア・ロ・サルド
蛾の精:ローラ・パーキス
カラシナの精:ジャオ・レイ
妖精たち: 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団
指揮:フィリップ・エリス (「ダフニスとクロエ」)/ポール・マーフィー (「真夏の夜の夢」)
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:江東少年少女合唱団 (「真夏の夜の夢」)
◆上演時間◆
「ダフニスとクロエ」 18:30 ― 19:30
【休憩】 25分
「真夏の夜の夢」 19:55 ― 20:50