ABT『ロミオとジュリエット』2011年7月28日 オーシポワ&ホールバーグ 

観た直後はあまりのショックにたくさんつぶやいてしまった(↓参照)・・・ほど、私にはかなりxな舞台だった。

なんというか、ABTのR&Jはいじりすぎの印象。デボラさん、クランコ財団みたいにもっときーっちり管理しようよ! あーあ、シオマラちゃんの日を見るべきだったなぁ。失敗。だいたい、なんでオーシポワなのよ。ジリアン・マーフィで良かったじゃない。もぉ。

ホールバーグは最初は悪くなかったと思う。なんと言っても美しいお姿。脚が長くて本当にきれい。踊りもきれいで安定していた。が、バルコニーあたりから、踊りを省略するようになった。ジャンプを出来るだけ控えるようになったように思えた。

ホールバーグは先月末だったかに足首を捻挫?して、ABT舞台を降板していた。本人がツイッターに投稿していたギプス姿の足の写真は痛々しく、「燃えてるように熱い」みたいなツイートだった。かなり重症そうだったから、踊るうちに痛みが出てきたのかもしれない。

それは仕方ない。それでも舞台をまっとうしてくれたことに、感謝すべきだと思う。でもね・・・ソロの見せ場、バルコニーでの最初のソロの最後のマネージュ、半分ぐらい省略したため、両手を広げてジュリエットを待つまで音楽が余ったのよ・・・これが、いただけなかった。これで、すっかり情熱のないロミオになってしまった。2幕のソロの見せ場も省略が続き、また音楽が余るシーンがあり、がっくり。

さらに私の気持ちを萎えさせたのはオーシポワのジュリエット。とにかく隙あらば?ロミオに絡み付いてなかなか離れようとしないわ、キスを迫りまくるわ(←そう見えた)・・・ PDD以外では、まぁかわいらしい役作りと思ったが、PDDははっきり言って気持ち悪いほど。バルコニー最後のキスでは明らかに自分からキスを求めていっていたし、キスした後にじっとり見つめホールバーグの手を握ったままいつまでも帰ろうとしない!早よ帰らんかっ!と思ったのは私だけではないはず。どわーっと階段を駆け上がって、バルコニーから身を乗り出して両手を差し出し・・・幕(-"-) もう、えぇぇぇぇ〜って感じだった。うーむ、自然体・・・というか・・・

あと、私にとって致命的だったのはオーシポワって、首から背中のラインが美しくない。なんだか猫背というか。脚は細くて長くてきれいだと思う。でも、上半身が全然ダメだった。この人に白鳥は無理だろうな・・・と思いながら観ていた。

さらに、寝相が悪い!3幕で薬を飲んでベッドに倒れた後、左足の膝を曲げて右足に重ねていた・・・? お友達も乳母もちょっと戸惑っていたように見えた。極めつけは、最後の最後、棺の上。仰向けになって・・・なんと、脚が曲がってる〜〜〜〜〜!! あそこって硬直したように真っ直ぐなジュリエットの姿が悲しくも美しいこのマクミラン版の象徴的なシーンじゃございませんか???がーん。すごくショックだった・・・

こんなに泣けないロミオとジュリエットなんて・・・!

さらにもう一つ気に入らなかったのはマキューシオのジャレット・マシューズ。テクニックはあるのでしょうが、死ぬ演技がx。マンドリン・ダンスでは馬跳びの最後を馬に姿勢を立てさせて大ジャンプを見せたものの、私にはその前の跳び蹴りを一回はしょったことが許せなくて(?)評価できず。マンドリンの跳び蹴りはかなり好きなシーンなのに、ここは全員まったく蹴り脚が伸びてなくて、がっかり。ロイヤルの蔵さんのきれいな脚が脳裏に浮かんだ・・・ コール・ドは本日もやっぱりイマイチだったし。なんだろうあの活気のなさは。人数はそろえたけど、それは日本人のアルバイトをいれてごまかしていたから。それで、全体的な動きが悪くなってしまったのだろうか。

本日の唯一のお気に入りは、影が薄めだったけどムハメドフ似なアイザック・スタッパスととってもノーブルだったパリスの サッシャ・ラデツキー。今日のパリスはハンサムなだけでなく、とてもジェントルで、3幕で頑ななジュリエットに最後は跪いて懇願・・・私だったらOKするなぁ。あと、ロザラインのカレン・アップホフは所作が常に美しくて優雅で大変目を引かれた。

クロージング・ガラに行く気力が萎えそうになったが、ゴメスを見に行くとしよう。

アメリカン・バレエ・シアターロミオとジュリエット
2011年7月26日(火)


ロミオ : デイヴィッド・ホールバーグ
ジュリエット : ナターリア・オーシポワ


マキューシオ(ロミオの友人) : ジャレット・マシューズ
ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥) : アイザック・スタッパス
ヴェンヴォーリオ(ロミオの友人) : ブレイン・ホーヴェン
パリス(ジュリエットの婚約者) : サッシャ・ラデツキー
キャピュレット卿夫人 : クリスティー・ブーン
キャピュレット卿 : ロマン・ズービン
ヴェローナの大公 : アレクセイ・アグーディン
ロザライン : カレン・アップホフ
ジュリエットの乳母 : スーザン・ジョーンズ
ローレンス神父 アレクセイ・アグーディン
モンタギュー卿夫人 : エリザベス・マーツ
モンタギュー卿 : ヴィタリー・クラウチェンカ
3人の娼婦 : ルシアナ・パリス、ステラ・アブレラメラニー・ハムリック
ロザラインの友人 : リーアン・アンダーウッド
ジュリエットの友人 : ジェマ・ボンド、イザベラ・ボイルストン、カロリーヌ・デュープロー、ニコール・グラニェロ、クリスティーン・シェフチェンコ、キャサリン・ウィリアムズ
マンドリンの踊り : ジャレット・マシューズ、フリオ・ブラガド=ヤング、ジョセフ・ゴラック、ジョセフ・フィリップス、アロン・スコット、ショーン・ステュアート